子どもの言葉の発達は、親にとって気になることの一つだと思います。
「なかなか言葉が出てこない」
「単語は出ているけれど、会話にならない」
「どうやったら言葉が増えるんだろう」
我が家の双子も、二人とも言葉が出るのが遅い子どもたちでした。ただ、同じ双子でも、言葉の発達の仕方はまったく違いました。
今回は、そんな我が家の双子の言葉の発達を振り返りながら、私が時々見ている言語聴覚士・中野雄介先生のYouTubeチャンネル「中野式言語療育」を紹介したいと思います。
同じ双子でも、言葉の発達はまったく違った
我が家の双子は、二人とも言葉が出るのがゆっくりでした。
一人は自閉症で、保育園の年中・年長の頃になって、ようやく単語がいくつか出てきたという感じです。
小学校に入ってから少しずつ言葉が増え、現在は小学校中学年。今では二語文に近い形で、自分のしたいことなどを伝えられるようになってきました。
まだ、こちらからの質問に答えたり、会話のやり取りを続けたりすることは難しいところがあります。それでも、自分の要望を言葉で伝えられる場面が増えてきたのは、大きな変化だと感じています。
一方、もう一人の双子も、3歳くらいまではほとんど話していませんでした。意味のある単語がいくつか出ていたかな、という程度です。
ところが、3歳を過ぎて言葉が出始めると、そこからは驚くほどの速さで増えていきました。単語が出て、二語文になって、文章になって。半年ほどでめきめきと言葉が増え、1年弱でかなり話せるようになりました。
今では、むしろおしゃべりなくらいです。言葉の理解や表現に少し独特なところはありますが、自分の思っていることをいろいろ話しています。
同じ年齢で、同じ家庭で育った双子でも、こんなに言葉の発達の仕方が違うんだなと感じています。
もちろん、これはあくまで我が家の二人の経験です。言葉が出始める時期や、その後の発達の仕方は、一人ひとり違うと思います。
言語訓練に通って感じたこと
自閉症の子の方は、保育園の頃に2年弱ほど、言語訓練にも通っていました。言語聴覚士の先生による訓練で、カードなどを使った練習が中心でした。それとは別に、作業療法士の先生による指先を使った訓練なども受けていました。
言語訓練は月に2回ほどで、親が付き添う形でした。また、平日は毎日、集団療育にも通っていました。
専門の先生に見てもらえるのはありがたいことですが、やはり通える回数や時間には限りがあります。月に数回、1回あたりも限られた時間です。
もちろん、専門家による訓練には大切な役割があります。ただ、それ以外の時間、子どもは家庭や保育園など、日常生活の中で過ごしています。そう考えると、普段の生活の中での関わり方も大切なんじゃないかな、と思うようになりました。
言語聴覚士・中野先生のYouTube
そんな中で、私が時々見ているのが、言語聴覚士の中野雄介先生が発信している「中野式言語療育」というYouTubeチャンネルです。
中野先生は、子どもの言葉の発達や言語療育を専門にされている先生です。そして、ご自身も幼少期に言葉がなかなか出なかった経験があるそうです。
専門家としての知識や経験に加えて、ご自身にも言葉のことで苦労された経験がある。そんな背景を持つ先生が、子どもの言葉の発達や家庭での関わり方について発信されているところにも、興味を持っています。
動画では、言葉の発達に必要な力や、子どもへの声かけ、普段の生活の中でできる工夫など、さまざまなテーマが取り上げられています。私も時々動画を見る中で、「なるほど、そういう考え方もあるんだな」と感じることがあります。
言葉を教える前に、子どもの興味を知る
中野先生の動画で、私が特に参考になると感じたのは、子どもの興味に合わせた関わり方についてのお話です。
例えば、大人は子どもに言葉を覚えてほしくて、
「これは何?」
「りんごだよ」
「言ってごらん」
といった声かけをすることがあります。
でも、子ども自身がそのものに興味を持っていなければ、なかなか言葉につながらないこともあるそうです。
それよりも、今その子が夢中になっているものや、好きな遊びに合わせて言葉をかけていく。例えば、電車が大好きな子なら、電車で遊んでいるときに、その子の興味に合わせて言葉を添えてみる。
大人が覚えてほしい言葉を一方的に教えるのではなく、子どもが今、何に興味を持っているのかを知る。そういった関わり方が、言葉を聞いたり、理解したり、伝えたりするきっかけになるというお話です。この考え方は、私自身も参考になるなと感じました。
ただ待つだけでも、無理に言わせるだけでもなく
中野先生は、子どもの興味を大切にする一方で、その子の発達段階に合った練習や働きかけを積み重ねることも重視されています。言葉が出るのをただ待つのではなく、今どんな力が育っていて、次にどんな関わり方が必要なのかを考える。
私がこのYouTubeを時々見るのは、そうした言葉の発達の基本的な考え方に触れることができるからです。
言葉がなかなか出ないと、どうしても「とにかく何か話してほしい」と思ってしまうことがあります。でも、言葉は単に覚えたり、発音したりするだけのものではないですよね。
自分の気持ちを伝えたい。
好きなものを教えたい。
何かをしてほしい。
誰かと一緒に楽しみたい。
そんなコミュニケーションのためのものでもあります。
だから、言葉を増やすための練習も大切にしながら、子ども自身が「伝えたい」と思えるような関わり方も大切にしたい。私はそんなふうに感じています。
専門家に通う時間だけでなく、普段の生活の中でも
中野先生は、直接支援できる子どもの人数には限りがあるため、YouTubeなどを通して、より多くの保護者に言語療育の考え方を届けようとしているそうです。
この部分は、私自身の経験とも重なるところがあります。我が家も言語訓練に通っていましたが、専門の先生に見てもらえるのは月に数回でした。だからこそ、日常の中でどんな関わり方ができるのか、保護者も少し知っておくことには意味があると思います。
もちろん、親が専門家の代わりにならなければいけないということではありません。毎日の生活のすべてを訓練にする必要もないと思います。
子どもの好きなことや、日々の遊びの中で、少し関わり方を工夫してみる。そんな小さなことからでも、できることはあるのかもしれません。
言葉が増えることの、その先にあるもの
我が家の自閉症の子も、以前と比べると少しずつ言葉が増えてきました。今はまだ、会話のやり取りには難しいところがあります。それでも、自分のしたいことを言葉で伝えられるようになってきたことは、本人にとっても大きな変化だと思います。
言葉が増えることは、もちろん嬉しいことです。でも、私が本当に嬉しいのは、言葉が増えることで、子どもの気持ちが少しずつわかるようになることなのかもしれません。
何がしたいのか。
何が好きなのか。
何を伝えたいのか。
そういったことを、もっとお互いに伝え合えるようになったら嬉しいなと思っています。
そして、言葉で話すことが難しい場合でも、その子に合った方法で気持ちを伝えられることは大切だと思います。言葉を増やすことだけを目標にするのではなく、その先にあるコミュニケーションも大切にしたい。
中野先生のYouTubeは、言葉の発達について、ちょっと違った視点から考えるきっかけにもなるYouTubeです。言葉の発達が気になっている方は、一度のぞいてみてもいいかもしれません。
※この記事は我が家の体験と、私自身が関心を持っている情報を紹介するものです。紹介した動画の考え方や方法が、すべての子どもに同じように合うとは限りません。言葉の発達について心配なことがある場合は、言語聴覚士などの専門家にも相談してみてください。
紹介した動画
【発語を促す】これだけでOK!子どもの言葉が自然と引き出される「たった1つの関わり方」


